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「ZOOM UP」
工場管理 2010年2月号
日刊工業新聞社
現場から静電気がなくなった!ホコリも消えた!
〜TRINC製ガントリンクを採用し、高レベルの塗装に挑む川西塗装〜
・静電気とホコリとの闘い
・現場ニーズを捉えたトリンク
・あらゆる工程からホコリをなくせ
・ホコリゼロを強みに
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「これ1台でホコリががゼロになります」と自信満々に話すのは静電気除電器の開発を手がけるTRINC
(本社:静岡県浜松市 http://www.trinc.co.jp )の高柳真社長だ。
差し出された除電器(ガントリンク)は一見すると他のメーカーのものとあまり変わらない。
「1秒間当てるだけでホコリがなくなります。」と高柳社長は続ける。
本当にそれだけでホコリがとれるのかと疑ったが、静電気が、バリバリ出ている部分にこの除電器をかざし、
静電気を測定したところ、数値がゼロを表示したのだ。
イオンの力であっと言う間に静電気が除去されてしまったのである。
「ガントリンクをしようして不良率が下がった工場があるのでぜひ見に来てほしい」と高柳社長。
よくあるセールストークなのか、それとも真実なのか。この目で確かめるべく、工場に向かった。
静電気とホコリとの闘い
案内されたのは、愛知県豊橋市に本社と工場を構える川西塗装。
同社は主にトヨタ自動車やトヨタグループ向けのバンパーやルーフレームなどの成形加工から塗装を手がけている。
「塗装では、ホコリや静電気は御法度。しかし、完璧に対策をしてもゼロにできなかった」と川西正克取締役が語る様に、
厳重な静電気対策が難しい。例えば、冬場は湿度が低くなる。すると静電気が溜まりやすくなり、ホコリも増える。
ホコリを抑えるために加湿器を置くと結露が生じて塗料斑ができる。
湿度を上げるために喚起を抑えると臭気が充満し、従業員の健康問題も懸念される。
湿度と換気のどちらを優先するかジレンマを抱えていた。
同社では他のメーカーの除電器を使用していたが、期待していたほどの成果は得られていなかった。
また、エアのホースと高電圧コードを用いた除電器で、漏電や感電の恐れがあり、除電器を使うこと自体がストレスになっていた。
そんななか、TRINCのガントリンクと巡り合ったのだ。生産技術グループ課長の村瀬芳治氏は、
「11年前、高柳社長が工場に来て、静電気や製品について熱く語ってくれました。でも説明より静電気が一気んみなくなったデモ
の方が印象的だった」とガントリンクを始めて目にした時をこう述べた。良いと思ったら即行動、ということで翌日には6台のガントリンクが
同社に納入されることになったのである。
現場ニーズを捉えたトリンク
TRINCの魅力は、他の除電器メーカにはない技術力だけではない。
不良咲くk源などの生産性上の問題も解決したいという現場のニーズをくみとっていることも非常に大きなポイントだ。
川西取締役は、
「塗装工程では、除電器に対するさまざまな要求が出ています。TRINCはそれらに即応してくれるところが魅力です。」(川西専務)
また、作業性を高めるため、無漏電、無線(電池駆動)であるという点も魅力だ。同社の塗装工程は、作業者による塗装とロボットによる塗装
が行われ、両ラインでガントリンクを採用している。
ここで興味深いのは、ロボットのアームにガントリンクを取り付けていることだ。
生産効率を高め完全自動化にもガントリンクは貢献しているのである。
あらゆる工程からホコリをなくせ
同社では成形工程やマスキング工程にもガントリンクを採用し、全工場で約300台が活躍する。
成形工程では、大量の静電気が発生するため、ホコリの付着が多い。
またマスキング工程では、塗装しない部分をマスクするのだが、シートの見切り線に付着するゴミを減らすのが容易ではない。
もし、ゴミが付いたまま塗装工程に流れるとその部分だけ塗装できず、不良を生み出してしまう。
また、これらの皇帝は人が介在するので静電気やホコリがでやすく、これらの皇帝へトリンクを導入するだけでも品質は相当向上するのだ。
ホコリゼロを強みに
ガントリンクを採用して11年。川西塗装の現場では、なくてはならない除電器となった。
村瀬氏は、
「TRINCの除電器を使う前の状況を振り返ると、どうして早く出会わなかったのだろうと思います。
つなぎを着用してもホコリはなくなりませんでしたし、つなぎの中に着る服も影響しているのではと、衣服を着ないでつなぎを着たらどうかと、
トライしたこともあるんですよ」と語る。
また、意外な効果も出ているようだ。
「ホコリをゼロにすることでより品質に自信がつきました。そしてなによりもよかったのは、作業者のホコリに対する意識が高まったことですね」(川西専務)
こうしたユーザーの声を直接耳にし、「生産現場の問題を解決することで、モノづくりの発展に貢献したい」と高柳社長は除電器の普及に余念がない。
また、川西取締役も、「他社との差別化を図るために塗装の品質向上に徹底したい」と意気込みを語る。
TRINCの製品はこれからも川西塗装の最強の”相棒”として活躍し続けるであろう。